
幼稚園の年長さんが、私にプレゼントしてくれました。カメさんです。元気出さなくちゃ。
この前、駅で電車に乗った時、ふとホームを見るとスーツを着たお母さんと幼稚園の制服を着た女の子が歩いていました。女の子がお母さんと手を繋ごうとしたら、お母さんはパッとその手を強く振り払いました。女の子はびっくりしてお母さんを見上げました。電車が走り出したのでその後のことはわかりません。お母さんはちょっと固い表情をしているなと感じましたが、あのはらい方は悲しい。何があったの、お母さん。その場面が私の頭から離れず、今もまだひきづっています。子育てと仕事で余裕がないのかな。お母さんがこうして欲しい、ということを娘さんがしなかったのかな。私は、子育てしている人たちのためになにができるのだろう。
東日本大震災、今年で14年。「はしれ ディーゼルきかんしゃデーデ」を読みました。幼稚園の保護者の方たちに。小学校で3年1組のこどもたちに。そして夏、福島の相馬で読みます。私ができることの一つと思ってこれからも読み続けます。
小学校では「童話作家のお仕事」というテーマで仕事委員の子どもたちのお招きでお話をしました。子どもたちからは「本を読みたくなった」「絵本って、3、4週間でできると思ってた」「童話作家になりたい」「3時間目もお話しして(私の授業は2時間目でした)」などなど。圧倒されました。場所は教室ではなく図書室でやりました。体を乗り出すようにして聞いている子、質問するとすぐに答える子、「握手してください」と言って2回も手をにぎる子。私の話を真っ直ぐに受け止めてくれました。先生が「質問がありますか」と言ったら、男の子が真っ先に手を挙げて「絵本はいろんな人が相談しながら、時間をかけて作るということがわかって、感動しました」と言ったとたん、他の子から「それは感想じゃないか」とツッコミが入って、大爆笑。
授業の中でノンフィクションに触れて、『デーデ』の制作秘話と読み語りをしました。みんな、神妙に物音ひとつ立てず聞き入ってくれました。感想にも「デーデ」に感動したという人が何人もいました。
「ざぼんじいさんのかきの木」をNHKのテレビ絵本で見た人や「だんごたべたいおつきさま」を幼稚園の時に読んだとか、すでに私の書いた絵本を知ってくれていた人もいました。新刊の「『コンスケとはるのともだち』が気にいりました』」と言ってくれた人もいました。うれしいことです。心の底から長く読み継がれていく作品を丁寧に作っていこうと思いました。幸せなことに私は志のある優れた編集者さんと出会っています。一人で作るのではなく編集者さんと一緒に作っていくのだと思うと、心強いです。
ひょっとしたら、良質な絵本を作っていくことが、まわりまわって、子育てて疲れている人たちを支えることになるのかもしれない。そんなふうにも思ったりして。

感想を書いてくれました。宝物です。
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