2019年03月12日

第209話 なくなっちゃうんだって

 駅にいく途中の沈丁花が満開。すごーく、いいにおいがします。思わず、深呼吸をしてしまいます。春は花粉症がつらいのですが、それでもウキウキしてきます。でもふたつ、残念なことがあります。ひとつは、森永製菓の「チョコフレーク」が今年の夏ごろに製造中止になるということです。大好きなお菓子のひとつで、以前はよく食べていたのですが、いつごろからか食べなくなりました。それなのに製造中止のニュースをみたとたん、すごく食べたくなって、スーパーやお菓子屋さんで探しました。でもどこにもない。あきらめかけていたところ、あった!浜田山の西友にありました!すぐに4袋購入。少しずつ大事に食べているのですが、あと残は1袋。また買いにいかなくちゃ。
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 そしてもうひとつ。わたしがこどものころから町にある和菓子屋さんが、3月の初めに急に店頭に貼り紙をしました。「3月15日をもちまして閉店」。孫たちも、みんな、びっくり!この和菓子やさんには孫たちの初誕生祝いの「一升餅」を頼みました。お正月のお餅も毎年頼んでいます。来年用のお餅はどこに頼めばいいのかしら。わたしが小学生のときは、小学校の運動会や卒業式などの大切なイベントのときにはこのお店の「紅白まんじゅう」が全校生徒に配られました。そしてなにより、お客様がくるときにはここで季節の生菓子を買ってきてお出ししました。親しい人には、甘辛だんごを選びました。すごくおいしいのです。ほんとに寂しい。
 商店街も昔からのお店は激減してフランチャイズのお店がほとんどになりました。個性がどんどんなくなっていくように感じます。この和菓子屋さんは、店構えも日本的で、朝は店の前に打ち水をしてあったし、七夕のときは大きな笹飾りと自由に書けて吊るせる短冊が用意してあったし、お月見のときは月見だんごを買った人にススキのプレゼントもあったし……。なんで閉めてしまうのでしょう。残念です。

 自分の好きな物がずっとあると思っていたら、大間違いなんですね。世の中は動いているのだから。それぞれ、事情っていうものがあるんだから。わかっているけれど。あー、なくなっちゃうのか。和菓子屋さんでは、明日から全品50%。すごく混むんだろうな。きょう、甘辛だんごを予約したいといったら、それはできませんと言われたので、ふたつ、生菓子を買いました。
 菓銘は「春の野」と「桜吹雪」。本格的な春が来る前に、お店は閉店。長い間、ありがとうございました。
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桜吹雪 しろあんです。
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 春の野 こしあんです。

posted by あさえ at 09:43| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月11日

第208話  3月11日とデーデ

きょうは、3月11日です。あの日から8年がたちました。被災された方たちのご苦労を思うと、息が詰まりそうになります。当時わたしは東京で被災地になにが起きているのか、テレビや新聞で把握しようとしていました。それくらいしかできることはなかったからです。なにもできない虚しさを感じていました。そのときに、NHK早朝のニュースで、「被災地に燃料を運べ 緊急燃料輸送」の短い特集をみました。古びたディーゼルきかんしゃが、磐越西線を10両の燃料タンクをひっぱって燃料を被災地に運ぶという計画がJR貨物を中心にたてられ、その一番列車の模様が放送されたのです。それをみて、まさに金縛りというのでしょうか、強い感情でいっぱいになりました。「これはこどもたちに伝えたい」と思いました。そして、童心社の編集者さんに話をしてすぐにJR貨物さんに許可をもらい、現地にとびました。まだ新幹線も在来線も走っていないとき。新潟経由で磐越西線をとおって郡山にはいりました。そして書いたのが、「はしれ ディーゼルきかんしゃデーデ」です。

 たくさんの人たちが、被災地に燃料を運ぶ、という一点に集中して力をあわせて実現した輸送計画でした。そこに使われたのがいまではあまり活躍する場所がない古びたディーゼルきかんしゃたち。「最後にいい仕事をさせてあげられました」というJR貨物の方の言葉がしみます。
 地震直後は恐ろしくてこわくて、くらいニュースが多く、不安になりました。だからこそ、わたしはこの燃料輸送のニュースに「希望の光」をみたのです。そして伝えたい、と思いました。

 3月5日から12日までブックハウスカフェで、4人の作家仲間と「あの日をわすれないで 作家4人の書いたそれぞれの3.11」展を開きました。10日に4人が自分の作品について語りました。わたしはデーデの読み語りをしました。取材のエピソードをたくさん語りたかったのですが、時間がなく残念でした。でも、いろいろ説明しなくても絵本がすべてを語ってくれていると思います。読者の方が、「知らないところでこんなふうに動いてくださっていたことを知って、わたしもだれかのデーデになりたい。」とお手紙をくださいました。
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 そして、福島県立図書館では震災から8年たって、中学生高校生になった子どもたちが福島のことを、調べたい知りたいといってくることがあるということで、「本はともだち 福島を知る・福島を伝える」という冊子を作成しました。そのなかで、震災の絵本のなかから「デーデ」を選んでくださった司書さんがこのようにおっしゃっています。
「 『はしれディーゼルきかんしゃデーデ』は、福島で読み継がれる絵本だと考えています。「デーデの本ありますか?」と親しみを持って聞かれることが多い本です 。私はデーデを、あのとき福島に手をさしのべてくれた人たちの象徴のように感じています。」と。

 わたしが「こどもたちに伝えたい」と強く思ったあの感情はいまでも覚えています。つらかったけど、書いてよかった。デーデはもう、解体されていないけれど、絵本に姿をかえていまも走り続けている。そう思います。
 もうすぐ、2時46分。黙祷を捧げたいと思います。

posted by あさえ at 14:12| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月01日

第207話 3月になりました     

 また、やってしまいました。受話器だと思って番号のボタンをおそうとしたら、テレビのリモコンでした。ユニクロで購入したストレッチパンツをはいたのですが、息子に「裏返し」と注意されました。はいたときにサイドにラインが入ってると思ったのですが、それは縫い目でした。夫のデスクの上にスマホがおいてあり、「あれ、スマホに変えたんだ」と思ったら、財布でした。これは目が悪くなっているだけ。でも前者の二つは、ちょっとまずい気が……。注意力散漫ということで、しっかり足を踏みしめて(?)生きようと思います。

もう3月ですね。3月は5日から12日までブックハウスカフェ(神保町)で『あの日をわすれないで。作家4人が書いたそれぞれの3.11』を開催します。私は「はしれ ディーゼルきかんしゃデーデ」の原画を5枚展示し、イベントでは読み語りと取材のエピソードをお話しようと思います。ささきありさん、堀米薫さん、光丘真里さんと4人でやります。それぞれ魂こめて書いた作品が並びます。話をきくのが、すごく楽しみ。そして打ち上げの食事会も今から楽しみです。この企画展のことを、知り合いの作家さんたちがブログやフェイスブックにとりあげてくださっています。とてもありがたいです。

 最近、ホームページを作る作家さんが多くなったようです。画家さんは絵をみてもらうのが目的ですから、ビジュアル的に美しいのは当然ですが、作家さんのは、総じて地味な印象。でも面白い! その人の考え方や価値観や興味が日常のできごとからよく伝わってきます。営業のにおいが強いHPもあったりするけれど、筆一本で仕事をしている私たちにはなんだか似合わない気がする。私はこのブログと愛犬まるとの七十二候散歩を、NPOを主催している叔父から言われて始めました。もうずいぶん長くなるけれど、ボケたことばかり書いていると仕事がこなくなるリスクもあるのではと心のなかで心配しています。大丈夫かしら。
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 町に沈丁花が咲き始めました。この花の香りをかぐと、私はいつも小学生のころにタイムスリップしてしまいます。新しい教科書と沈丁花のにおい。この二つのにおいをかぐと、春を感じます。幼いときの嗅覚の記憶は、けっこういつまでも残るものですね。別れと出会い。新しい場所へ。3月と4月はそんな時期です。
 

posted by あさえ at 17:23| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする