2014年10月01日

第108話 新入りの家具たち

 金木犀の香りが漂いはじめました。一番好きな季節になりました。9月の最後に山形県高畠町に、作家仲間と1泊で行ってきました。尊敬する浜田広介先生のお墓に参り、先生が歩いた桜並木の歩道をのんびり歩きました。一面の田んぼには黄金色の稲穂が波うち、遠くにはぐるりと町を取り囲んでいる山々が見えました。トンボがすういすういと気持ちよさそうに飛んでいました。浜田広介先生は「泣いた赤鬼」「りゅうの目のなみだ」「むくどりのゆめ」などしみじみした優しい物語を1000編も書かれています。その創作の根っこは、ふるさとにあると実感しました。はて、私の根っこは……。

 8月の28日にやっと新居に引越しました。あと20日後だったら、仮住まいは1年に及ぶところでした。荷物は仮住まいに移るときにずいぶん整理したはずなのに、まだまだ山のようにあって愕然としました。おまけに新居には収納が少ないので、必然的に新しい家具を買わないといけません。
水屋箪笥.jpg
六尺水屋箪笥!

 そこでまずは、「食器戸棚」に「水屋箪笥」を買いました。インターネットで売っているお店を調べたら、「古福庵」という古家具を修理して販売しているお店を見つけました。そこに、ありました! 近江の「水屋箪笥」。明治から大正につくられたものだそうです。檜と杉を使い、引き出しが多く、収納力も見かけ以上にありそうです。「水屋」というのは「台所」のことで、そこで使われる箪笥なので「水屋箪笥」。食器棚みたいなものですが、一部の扉に金網が貼られています。それは、冷蔵庫が普及していなかったころは食べ物も入れておいたので風がよく通るように工夫したのだそうです。とにかく、素敵。濃い茶。重厚。部屋に一気に「和」の風が吹き始めました。
水屋箪笥 網.jpg
ただ網がついているだけでなく、扉には模様が施されています。

 この水屋箪笥は、大正、昭和、平成と長い時間を生きてきました。自分で動けるわけではありませんから、人の手で運ばれ、修理され、使われ、また運ばれ、修理され…。運のいい箪笥です。古福庵の職人さんたちの手で美しくよみがえって、我が家にやってきました。大切に使いたいと思います。私が死んだら、息子がひきとって使ってくれるそうです。よかった。次のオーナーも決まりました。
 気に入った古いものを、長く大切に使う暮らしをしていきたいと心に決めたのはいいけれど、また買ってしまいました。古福庵さんで、桐衣装箪笥、置き床を。収納の少ない家なので家具が増えてしまいましたが、もうずっと前からそこにおいてあったような馴染み方。また、買ってしまいそう。
衣装箪笥.jpg
桐の衣装箪笥。中にはコピー用紙や原稿用紙が入ってます。

置床.jpg
置き床。寝室のテレビ台にする予定。
 
posted by あさえ at 15:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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